木の家造りにめざめるきっかけ
| それは、あるお客様の伊豆の別荘の立て替えの依頼を受け、檜の節板を使った部屋造りをしたことでした。家の中で最もくつろげる居間の壁面を板張りにし、その上をしっくい仕上げにした大空間のあるその部屋にいると、不思議に気持ちが落ち着くのを感じました。その経験が私の「家造りに取り組む姿勢」を大きく変え、私の中で、自然と共に生きる生活空間造りという大きなテーマができました。 |
日本人らしさ、職人らしさのこだわり
| 今、日本は日本人らしさを、地方が地方らしさを見失いかけているように思えてならない。 住まい造りの立場から考えると、主材料のほとんどが外国からの輸入材でまかなわれています。日本の各地方の山々には木材が豊富にあるにもかかわらずほんの一部の人にしか利用されていません。 世間一般の工務店が「コストを考えると国内産は使えない」を言うが完成された住宅の最終単価を聞くとそれ以上の値段になっている。日本の民家造りが数少なくなってきた現在、それらに携わっていた大工が大工らしさを、左官が左官らしさを、各職人が職人らしさをその誇りを失いかけてきているような気がしてならない。 |
木に対するこだわり
| その一 木のよさ |
| 樹は春に新緑の美しさを、夏に木陰の涼しさを、人々に与えまた秋には錦の紅葉を、冬には静寂な情趣と四季折々私達の心をなごませる。樹は伐採されて「木」に変わり建築材として暮らしの中に活かされ幾歳月もの間、自然を呼吸しながら生きつづける。 日本は高温多湿型、特に夏には湿度が高く不快指数が問題になる。しかし本物の木材は空気中の湿度の変化に従って水分を吸収し室内の湿度を平衡に保とうとする特性があり例えば10.5cm角×3Mの檜の柱はビール瓶一本分の水分を常に吸出し湿度を調節します。 又森の精気が充満した緑の中で木立の香りに出会うと思わずホットやすらぎを感じます。それは森林樹木から発散されるフィトンチットという芳香物質が自律神経の働きを活発にして頭の回転を促すなど心身に不思議な薬理作用を及ぼすからです。なかでも檜が放つ強い香りにはカビやバクテリアを殺菌する作用がありその含有精油性分はダニを寄せ付けない特性を持つといわれています。 天然素材を室内に使用した場合 湿度の調節はもちろんのこと、その目にも優しい自然な色合いと香りが私達の心をなごませてくれます。 木はまさに”心身の良育材”です。 |
| その二 木肌を生かす |
| 樹木は伐採され木になり、そして家材として使われます。年月を重ね人々との暮らしの中で生き続けます。 木肌を生かすことが、今、住まい造りを生業としている我々のめざすところです。 |
| その三 木は最高の建築材料 |
| 昨今シックハウスの問題が大きく報道されています。人工的に造られた建築材料から発散する石油を原料とした化学物質が室内を汚染し、アトピー、ぜんそくなどのアレルギー問題を作り出しています。この問題は約30年前、いわゆる短期間で安価にできるプレハブ住宅が大量販売され、注目を浴び始めた時点が発端です。 杉、檜、さわら、ぬずこ、たも、その他、数多くの国産材の木肌は、心身ともに最高のやすらぎを人にあたえてくれます。これらの自然素材は、人工的に研究し作られた建材と比較にならない魅力があります。 木は冬の寒いときには、熱を保温し夏の暖かい時は、外気の熱を遮断して、快適な室内環境をつくり、その地域その場所に適合した「自然の環境」を造りだしてくれる最高の建築材料です。将来の子供達の健康にも自然に配慮されています。 |
| その四 コスト面でもお値打ち |
| 一般的に 木は高いという先入観がありますが、例えば、節のある木の木肌を生かして使用したり、また健康面で不都合があり改築しなければならないコストを考えるとお値打ちです。 |
| その五 ご提案 先挽き・先買いの薦め・自分の家の材料を自分の目で確かめる家造り |
| 折角造った木の家も水分を多く含んだもので造ると、後に隙間が大きく現れ、泣くに泣けない家となってしまいます。 使う材料はやはり含水率が15%前後の自然乾燥した木でなければだめなのです。ところが、最近は「木の家」を造る人が少ないため、山の製材所も自然乾燥で貯水をしていても採算が合わないということで、機械乾燥にかけ、表面のみをいかにも乾燥しているかのごとくみせかけた「乾燥木材」を出荷しているというのが現状です。 機械乾燥とは高温で乾燥させる『室』をつくりその中に製材したばかりの材料を入れ込み、2〜3日で表面含水率を15%近くまで乾燥させる方法です。 私が現実にこれらの材料を使用した経験から言えば、すべてが化粧で見える材料として、「安心して使うことのできる満足のいく品物」とは到底いえるものではありません。 例えば自然乾燥した材料がもっとも理想的な材料と考えます。材質の違いにもよりますが期間は約1年から2年です。 この現状を解決する方法として「先挽き・先買い」を提案します。自分の家を造る材料を山の製材所で”先挽き”してある程度のお金(約50万円から100万円)を先払いします。製材した材料には買った人の名前が刻印され、他への転売は絶対されません。自分が建てたい時まで製材所の乾燥機で自然に乾燥させることができるのです。 もちろん家造りの計画がダメになった場合は、契約を破棄して先払いしたお金は全額返金されます。製材所も返金によるデメリットはありませんのでご安心ください。 今すぐ建てるつもりのない人でも、山に立っている「立ち木」を先買いする方法もあります。 自分の材料を製材するときは製材所まで出かけ、製材する瞬間を見学することもできますので楽しみが倍増です。 |